「今夜もぐったりフレッシュコラム」より

 2001年3月22日分 「空」

あの人は空にいる。
私にとって、肉親でも友達でも仲間でも恋人でもないあの人は空にいる。

空には鳥が飛んでいる。
鳥は自分の気の合う仲間とだけと一緒に過ごしているのだろう。
彼等は空を飛ぶ事を生活の手段としてだけでなく、絶対に楽しんでいる。
あの人も鳥のように私達の頭上を飛びまわっているのだろうか?

待てよ、空なんてもんじゃないかもしれない。
空よりも上かもしれない。
神様はいると思うから、神様と仲良くやってるいるのじゃないか。
自分が遥か下界の「日本」で暮らしていたときの、たくさんのエピソードを神様にひとつひとつ話して聞かせているかもしれない。

あの人は空にいる。

あの人はなんの挨拶もしないで、ふいに空へ行ってしまった。
私の敬愛する先輩は言った。
「彼が死んでも、俺達は腹も減れば屁もこく」
まったくもってそのとおり。
あの人とのお別れの日に知り合えた「運命」を感じた友達は言った。
「彼は三脚なんかよりもっと高い所から、私達のことを見ているだろう」
私もそう思う。
すてきな歌を歌う大好きな友達は言った。
「まだ消化しきれていない」
それもわかる。

あの人が空に行ってしまってから、逆に身近に感じられるようになったのはなぜなんだろう。
やっぱり私の頭上にいるからなんだろうな。
最近、淋しさがなくなってきたのは、もうあの人がコレ以上遠くに行く事がない、と安心できたからなのかな。

あの人は空にいる。

私もいつかは空に行く。
そしたら、そのときは私のことを叱ってね。

また、会いましょう。さようなら!