そういえば

 昔、ヒヨドリのヒナを見つけたことがあります。
 私はその当時小学生だったのですが、朝6時に起きて散歩に出るという
 なぜか年寄りくさい趣味がありました。
 その日も、早起きして家を出ました。
 ぼちぼちと歩いていると、なにか視線を感じるのです。
 ちょうど視線の高さくらいの鉄格子に、ずんぐりむっくりしたトリがいます。
 くちばしの端がまだ黄色く、口角が下がっているためムスっとしたような顔に見えます。
 でも、まだ産毛のようなものが残っていて、「きょえーきょえー」と鳴きます。
 動物大好きなやぶさきは「これはヒナだ!保護せねば!」と正義の心を燃やし
 早速ヒナに手を差し出すと、するどいくちばしで攻撃しようといます。
 なまいき。
 そこで、私は周りを見渡してみました。
 すると、子供用のお砂場スコップが落ちているではありませんか。
 それをとりあげ、そのうえにヒナを乗せようと、おなかあたりをぐりぐりします。
 ヒナは当然嫌がってよけます。
 それを横に1mくらいいったところで、ヒナは飛びました。
 ヨロヨロと飛び去っていったのです。
 「あ〜あ」とスコップを握り締めて立ちすくむ私。
 正義の心は、ヒナに恐怖心を与え、むりやり巣立ちをさせてしまったというお話でした。
 その後も動物の秘話はたくさんあるのですが、こんな公共の電波には
 とても乗せられない話が多いので割愛させていただきます。
 動物は地球の財産!大切にしましょうね。