母の言うことにゃ

甘くておいしいですよ♪

 実家に帰りました〜。
 父は飲み会へ、妹はどこかへ(笑)行ってしまっていたので、うちには母だけ。
 
 夕飯を食べた後に、母は「"カンのパン詰"って知ってる?」と自慢げに
 話し掛けてくるのでした。
 カンの?パン詰?・・・「うん?知らない」と言うと、
 「カンがあって、ぱかっと開けると中からパンがもこもこ〜って出てくるんだよ」
 おいおい。それなら"パンのカン詰"ですね、おかーさま。
 「こないだの新潟の地震があったから、おばあちゃんが非常食を用意しようと思って
  いろいろ調べたら"カンのパン詰"っていうのがあるって知って、すごい探したんだって」
 うん。略してパン詰だけどね。
 「へー、おばあちゃんちに行ったの?」
 「うぅん。おばあちゃんがウチに前に置きにきてくれたの」
 置いてったの?受け取ったんじゃないの?
 ウチのおばあちゃんは、お菓子や旅行のお土産をときどきウチの玄関に
 そーっと置いて行くことがあるらしい。
 それも玄関に置いてある傘のなかとか(笑)
 その一環で、今回はこの缶詰が来たようです。

 何個かあったので、いっこ開けてみよう!ということに。
 「開けたらもこもこ〜ってなるよ」ということで、ふたりでどきどきしながら
 プルタブに指をかけ、ぎぎぎ〜パカ♪っと開けました。


 ・・・・・・・


 開けました。


 ・・・・・・・・


 もこもこ〜ってこない・・・
 カンの中を覗くと、パンがぎっしり詰まっています。
 とりあえずほじり出してみると、カンのカタチをしたパンがでてきました。
 カンを読んでも「ふくらむ」とは書いてないみたいです。 
 そっか。「パンのカン詰」ですからこれで正しいんです。

 ちょっとがっかりしながら、「パン食べてみようよ」と、早速カンのカタチのパンを
 ちぎってはクチに運んでみました。

 ・・・うん、ほんのり甘くておいしいです。
 てか、普通?
 非常食は非常のときに食べたほうがありがたみがわかるんだな、と思った秋の一夜でした。