ジテンシャ サイド ストーリー No.1

 稽古場へ行くのに、西武新宿線に乗っていくのであります。
 で、最寄の駅まで自転車でちゃりちゃり走っていくのであります。
 駅の近くの駐輪スペースに泊めて、電車に乗る・・・
 

 稽古が終わり、同じ西武線で帰ってくる。
 よし、あとひとふんばりでおうちだ!
 と、ちょっと重たかった気持ちを持ち上げて、私の愛車「エスパーニャ号」を
 泊めてあった場所へ向かう。
 ・・・ない。
 二度三度、確認するが・・・ない。
 おかしいなぁ〜・・・
 ちょっと捜索範囲を広げてみると・・・ありました!!
 駐輪スペースから遠く離れた路上にありました・・・
 「警告!」というおだやかでない文字が大きくかかれた
 真っ赤なシールを貼られて・・・
 同じような扱いをされた自転車君たちが何台もあります。
 私のエスパーニャ号はそのなかでもダントツ奥に置かれていました。 
 あぁ、手すら届かない。。。遠い存在(涙)
 なんでだようぅ、とちょっと悲しくなりました。
 が、よく見たらここはフリースペースに見えますが
 (道路に白線が引いてあるだけなんですもの)
 じつは有料なんですって。年間で3000円とかって・・・!高っ。
 とりあえず、自分が悪かったこともありますが、だからってこんなに車社会の
 お邪魔になるような場所にハケなくてもいいのじゃないかしら?
 なんて思いながら、一生懸命他の自転車をかきわけ、エスパーニャ号を救出しようと試みました。
 その瞬間! (その瞬間!)
 マンガかドラマか映画のように、周りにあった自転車たちがパタパタパタ・・・と
 キレイに倒れていきました・・・
 君たちはドミノか!とつっこまずにはいられないくらい。
 でも、そんなつっこんでる余裕もないくらい。。。
 あふー。
 にじみでる涙を抑えながら、一台一台起こして始めると、
 ふと、人影が目に入ってきました。
 ばばん!
 これまた絵に描いたようなホストのお兄様(いうなればオフ時の)がふたり!
 どうしたことかと思ったら、一緒に倒れた自転車を起こしてくれたのです。
 「あああありがとうございます」「すすすすっすすすすみません」をひたすら繰り返す私。
 「い〜え〜〜」と軽い返事とはうらはらにテキパキと起こしてくださるおふたり・・・   
 
 あっというまに元に戻りほっとしていると、彼らは何事もなかったかのように
 普通に〜日常生活に戻っていました。
 この気さくさって、なんだか嬉しいですね。
 たしかにぶっきらぼうかもしれませんが、恩着せがましくないっていうか・・・
 


 すてきなホストさん(勝手に職業決めてますけど)に出会った
 そんなジテンシャ サイド ストーリー でした。