震災

 3月11日、14:30頃。
 自宅にひとりでいました。


 昼食前に、テレビを見ながらすこしウトウトしていたところ。


 ゆらゆらっと、体が揺れたような気がしました。


 「ん?」と思ったのもつかの間。


 どんどんと揺れは激しくなり、あわてて飛び起きる。


 リビングへ出て、落ちたらいちばん危ないと思われる、
 ヒョウモントカゲモドキの水槽へ。


 水は入っていないものの、高さ1mのところに置いてあるので、
 落ちたら大惨事になることは間違いない。


 いそいで、水槽と隣の冷蔵庫を押さえる。


 そこで揺れはマックスだろう。


 本棚やタンス、食器棚の上に置いてあったものは
 ほぼ全部、床に落下していく。


 ベランダへの窓は勝手に開いていく。


 薄型テレビは、これでもかというほどグラインドしている。


 玄関もシューズケースなどが落ち、たたきを埋め尽くす。



 それを動けず見ている。



 とても長い時間だった。


 本当に怖かった。



 そこからもずっと家にひとり。



 電話は緊急連絡をしなくちゃいけない人のために空けておくのが
 被災時のルールだと教わったため、家族には電話はしない。


 メールは送ったけど、届いているかはわからない。



 
 こんなに不安で心細い時間を過ごしたのは初めて。



 震える手で携帯電話を開いて、twittermixiに「こわい!」と
 吐露してみた。


 ネット環境は強かったようで、比較的さくさくつながり
 たくさんの友人に励まされる。



 18時頃、首都圏の電車などがすべて止まったと知る。


 外に出て様子を見てみると、会社員や学生さんたちが、
 道路沿いをすごい人数で歩いている。


 みんな歩いて帰るしかないのね・・・


 そんなとき、近所の飲み屋のスタッフに偶然会う。



 「おお、やぶ。だいじょうぶだった?」


 と、声をかけてもらった途端、涙がぼろぼろ流れ始めた。


 ずっとひとりで居たので、人に会えてほっとしたようです。


 結局、部屋にひとりでいることに耐えられなくなり、
 その居酒屋のすみっこにずっと置いてもらうことに・・・



 震えは止まらないし、手は冷たいし、食欲もない。


 布団に入っても、またいつ地震がくるかわからない。
 テレビからは「緊急地震速報」が何度も鳴る。


 結局眠れませんでした・・・





 食べ物はまとめた。
 いつでも出られるかっこうで布団に入る。
 靴はすぐそこに置いてある。


 
 こわい。


 こわいよ。


 早く収まってほしい。